「言えた」を、名前にした。
Yueru開発ストーリー
Yueru(ゆえる)は、吃音のある子どものための無料練習アプリです。作っているのは、かつて「吃音のある小学生」だった開発者。なぜこのアプリを作ったのか、なぜ流暢さを評価しないのか。設計の根っこにある経験を書きます。
01授業を途中で抜けて通った「言葉の教室」
開発者は、吃音のある子どもでした。小学生のころ、週に一度、授業を途中で抜けて 「言葉の教室」(通級指導教室)に通っていました。 みんなが教室で勉強している時間に、ひとりだけ廊下に出る。 その背中に注がれる視線の感覚は、大人になっても覚えているものです。
言葉の教室そのものは、安心できる場所でした。 そこでは急かされない。笑われない。言い直しをさせられない。 ただ、それは週に一度、45分だけの話でした。 残りの6日と23時間は、音読の順番が近づくたびに心臓が締めつけられる日常です。
02「毎日の側」に道具がなかった
大人になって調べて分かったのは、自分が受けた支援は正しかったということです。 安心できる環境での発話経験。吃音を責めない大人の存在。これらは今も吃音支援の核心です。
同時に気づいたのは、週1回の専門的支援と、毎日の生活との間にある巨大な空白です。 専門家は正しいことをしてくれる。でも家庭には、毎日続けられる道具がない。 保護者は「急かさず聞いてあげてください」と言われても、それ以上に何ができるか分からない。 この空白を埋める道具を作ろう、というのがYueruの出発点です。
03流暢さを評価しない、という設計
Yueruには、発話を採点する機能がありません。AIが「うまく話せたか」を判定することも、 どもった回数を数えることもしません。これは技術的にできないからではなく、意図的にやらないと決めたものです。
吃音のある子どもにとって、評価は恐怖です。 「うまく言えたかどうか」を毎回判定される練習は、たとえ高得点が出ても 「次は失敗するかもしれない」という予期不安を育てます。 子ども時代の開発者が一番ほしかったのは、上手に話せた証明ではなく、「どんな話し方でも、ここでは大丈夫」という場所でした。
だからYueruが数えるのは「声を出せた回数」だけ。 マスコットのケロは、なめらかでも、つっかえても、同じように嬉しそうに反応します。
04「ゆえる」という名前
アプリ名のYueru(ゆえる)は、「言える」から付けました。 治る、ではなく。話せる、でもなく。言える。
今日、台本を見ながらでも、3回つっかえながらでも、最後まで言えた。 その小さな事実の積み重ねだけが、話すことへの自信を作る—— それが、かつて吃音のある小学生だった開発者がこのアプリに込めた、たったひとつの考えです。
Yueruはこれからも、当事者の感覚を起点に作り続けます。 使ってみて気づいたことがあれば、ぜひ教えてください(soma@yueru.jp)。 あなたの声が、次の誰かの「言えた」につながります。
よくある質問
Yueru(ゆえる)の名前の由来は何ですか?
「言える」から来ています。流暢に話せることではなく、「言えた」という体験そのものに価値があるという、このアプリの設計思想をそのまま名前にしました。
Yueruは誰が作っていますか?
吃音当事者の開発者と、その経験に共感したメンバーで運営しています。小学生のころに通級指導教室(言葉の教室)に通った経験が、アプリ設計の原点になっています。
なぜ無料なのですか?
吃音のある子どもの家庭が、費用を理由に毎日の練習機会を諦めることがないようにするためです。登録費・月額・課金は一切ありません。
Yueruはどんな子どもに向いていますか?
ひらがなが読める小学生を中心に設計しています。家庭で「声を出す練習の習慣」を作りたい、でも本人にプレッシャーをかけたくない——そんなご家庭に向いています。言語聴覚士の訓練と併用できます。
あなたのお子さんの「言えた」も、ここから。
Yueruは登録1分・完全無料で今日から使えます。台本つきの会話練習を毎日5分。流暢さは評価しません。「言えた」という体験を、お子さんの毎日に。
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