どもりとは?
原因・治し方・子どもへの接し方
「どもり」は医学的には「吃音(きつおん)」と呼ばれるコミュニケーションの特性です。原因・症状・家庭でできるサポートをまとめました。
💡 「どもり」=「吃音(きつおん)」
「どもり」は日常語、「吃音」は医学・専門用語で、どちらも同じものを指します。現在は当事者への配慮から「吃音」という表現が広く使われています。このページでは両方の言葉を使って解説します。
どもり(吃音)とは何か
どもりとは、話すときに言葉が詰まったり、同じ音を繰り返したり、言葉が出てこなくなったりする状態のことです。世界の人口の約1%、日本だけで約120万人以上が持つとされています。
有病率
約1%
世界中に存在するコミュニケーションの特性。日本では約120万人以上。
発症時期
2〜5歳
95%以上が言語発達の盛んな幼児期に始まります。
自然回復率
約75〜80%
就学前に始まったどもりの多くは自然に回復します。
男女比
男:女 = 3:1
成人では男性に多く見られます。女児のほうが回復しやすい傾向があります。
どもりの原因
どもりの原因は「脳の言語処理・運動制御に関わる神経回路の特性」とされています。親の育て方や家庭環境、本人の性格が原因ではありません。
🧠 脳の神経回路の特性
発話に関わる脳の運動野・言語野の処理がスムーズに連携しにくい状態とされています。MRI研究では、どもりのある人の脳は発話時に特定の領域の活動パターンが異なることが確認されています。
🧬 遺伝的な要因
どもりのある人の家族にも同様の特性を持つ人がいる割合が高く、遺伝的な関与が示唆されています。ただし「必ず遺伝する」わけではありません。
📈 言語発達のスピードのギャップ
2〜3歳頃に言語能力が急速に発達する際、脳内の処理が追いつかずにどもりが生じることがあります。この時期に始まるどもりは自然回復することが多いです。
どもりの種類・症状
どもりには大きく3つのパターンがあります。
繰り返す(連発)
例:「ぼ、ぼ、ぼくは…」
音や音節を繰り返すパターン。最も多く見られ、幼児期に現れやすいです。
伸ばす(伸発)
例:「ぼーーーくは…」
特定の音を引き伸ばすパターン。「止まれない」感覚を伴うことがあります。
詰まる(難発)
例:「……ぼくは」(声が出ない)
声が出る前に詰まるパターン。外から見えにくく、本人の苦しさが伝わりにくいです。
どもりは治る?自然回復の可能性
就学前(2〜5歳)に始まったどもりの約75〜80%は、小学校入学前後までに自然に回復します。ただし全員ではありません。
✅ 回復しやすい条件
- 女の子
- 発症年齢が低い(2〜3歳)
- 家族にどもりがいない
- 発症から6か月以内
⚠️ 専門家への相談を検討する目安
- 小学校入学後もどもりが続いている
- どもりが3〜6か月以上続いている
- 本人が話すことを強く嫌がっている
- 詰まる(難発)が増えてきた
親・保護者ができること
特別な訓練より、日常の関わり方がどもりのある子どもの自信に大きく影響します。
話が終わるまで待つ
急かさず、最後まで聞く。アイコンタクトを保ちながら待つだけで、子どもの緊張はぐっと下がります。
「内容」に反応する
「そうなんだ!」「それで?」と、話の内容に注目して返す。どう話したかではなく、何を伝えようとしているかを大切にしてください。
自分がゆっくり話す
親がモデルを見せる。「ゆっくり話しなさい」と言うより、自分がゆっくり話す方が100倍効果的です。
どもりを話題にしない
「またどもった」と指摘しない。家庭が「安心して話せる場所」であることが最も重要です。
やってはいけない声かけ
善意で言ってしまいがちですが、どもりのある子どもに逆効果になる言葉があります。
「ゆっくり話して」
「自分の話し方はおかしい」と伝わり、緊張が増す
「落ち着いて」
落ち着けないからどもっている。さらに焦りが増す
「もう一回言って」
どもった直後に繰り返しを求めると、失敗体験が強まる
「頑張れば話せる」
努力不足が原因ではない。本人はすでに全力を尽くしている
専門家に相談するタイミング
どもりの専門家は言語聴覚士(ST)です。以下に当てはまる場合は相談を検討してください。
- ・ どもりが3〜6か月以上継続している
- ・ 小学校入学後もどもりが残っている
- ・ 本人が話すことを極端に嫌がる・避けるようになった
- ・ 顔をしかめるなどの体の動きが伴っている
- ・ どもりが悪化している感じがある
相談先:小児科・耳鼻科 → 言語聴覚士への紹介、または地域の言語聴覚士が在籍するリハビリテーション施設・病院
よくある質問
Q. どもりと吃音は同じですか?
A. はい、同じものを指します。「吃音(きつおん)」は医学・言語療法の専門用語で、「どもり」は日常的に広く使われてきた言葉です。現在は当事者への配慮から「吃音」という表現が推奨されています。
Q. 子どものどもりは自然に治りますか?
A. 就学前(2〜5歳)に始まったどもりの約75〜80%は自然に回復するといわれています。ただし小学校入学後も続く場合は、言語聴覚士への相談を検討してください。
Q. どもりの原因は何ですか?
A. 脳の言語処理・運動制御に関わる神経回路の特性が主な原因とされています。親の育て方やストレスが原因ではありません。遺伝的な要因も一部あることがわかっています。
Q. どもりの子どもに「ゆっくり話して」と言ってもいいですか?
A. 避けることをおすすめします。この言葉は「自分の話し方はおかしい」というメッセージとして受け取られやすく、緊張を高めてどもりを悪化させる可能性があります。最後まで待って、話の内容に反応することが大切です。
Q. どもりはいつから始まることが多いですか?
A. どもりの発症は2〜5歳の言語発達期が最も多く、全体の95%以上がこの時期に始まります。言語が急速に発達する時期に、脳の処理が追いつかなくなることが一因と考えられています。
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